便秘症は「よくある病気でたいしたことではない」と考えられがちですが、便秘症のお子さんは便をするときにとても痛い思いをしたり、苦しんだりしていることが多く、決してほっておいてよい病気ではありません。きちんと治療をしないと、「悪循環」を繰り返しどんどんひどくなり、腸が異常に大きくなり(巨大結腸症)、おもらしが続く状態(遺糞症)になってしまう場合があります。
いきんでいるのに便が出ない、出ても便が固い、量や回数が少ないという場合には便秘の可能性があります。
毎日便が出ていても、小さいコロコロの便や、柔らかい便が少しずつ1日に何回も出る場合には、腸に便が溜まりすぎて漏れ出るようになっている可能性があり、便秘が疑われます。
便秘を放置しておくとだんだん悪くなることが多い病気です。
便秘が1~2か月以上続いている場合には、継続的な治療が必要となります。
便秘に有効な食べ物
1.いも類/さつまいも、さといも、こんにゃく
2.野菜類/白菜、キャベツ、ピーマン、なす、にら、もやし、キュウリ、ごぼう、人参、大根
3.豆類/大豆、小豆、おから、納豆
4.穀類/麦飯、コーンフレーク、ポップコーン、オートミール
5.果実類/みかん、オレンジ、あんず、乾燥プラム、パイナップル、メロン、プルーン
6.きのこ類/しいたけ、しめじ、えのき
7.海藻類/わかめ、こんぶ、のり、寒天、ひじき
こどもの便秘に良く使われる薬(カッコ内は製品名)
●浸透圧性下剤<便に直接働きかけて柔らかくする。習慣性が少ない>
糖類<甘くて飲みやすいが、効果がやや不安定>
・マルトース(マルツエキス)
・ラクツロース(モニラックなど)
塩類<少し飲みにくいが効果が確実で安全性が高く、習慣性が少ない>
・酸化マグネシウム(カマ、マグミット、カマグなど)
・水酸化マグネシウム(ミルマグ)
●刺激性下剤
・ピコスルファートナトリウム(ラキソベロン、シンラックなど)
・センノシド(プルセニドなど)
●座薬
・ビサコジル(テレミンソフト)
・炭酸水素ナトリウム+無水リン酸二水素ナトリウム(新レシカルボン)
●漢方薬
便秘治療の大原則
1.直腸にたまっている便塊を浣腸などで取り除いてあげましょう。
2.投与されたお薬を飲んで、排便記録ノートをつけましょう。
3.便の形状でお薬の量を医師と相談して増減しましょう。
4.1~2日排便がないときは、座薬、浣腸などで便が固くなる前に排便を促しましょう。
5.排便の調子が良いから医師へ相談なく投薬を止めないでください。数か月後にまた便秘となるケースが多いです。医師と相談の上、少しずつお薬の量を減らしていきましょう。
便が固くない状態を維持し、規則正しい排便習慣を確立できるよう、継続的に治療していきましょう。